疑惑の公募を追認!地域の声無視の県政を批判する

 2018年度滋賀県予算で、心身障害児者施設整備費補助を3カ所で行うとされ、その一つに、近江八幡市での県外の社会福祉法人が選ばれています。
近江八幡市は、廃止された安土健康づくりセンターがある市有地を30年間無償貸与(延長あり)、施設も無償で譲渡、老朽している部分は市費で解体、国・県の補助金だけでなく市もかなりの補助を出すという破格の優遇で心身障害者施設整備事業の公募を昨年7月におこないました。公募の1年前から岡山県倉敷市の社会福祉法人「三穂の園」と協議を重ねながら、地元の社会福祉法人等へは公募まで情報を知らせない。20日間の公募期間と「2億円の整備事業を1社で」という条件は、地元の事業者の応募を不可能とするものでした。結果、倉敷市の「美穂の園」しか応募がなく、ここに決定。明らかに、地元の事業者を排除し、「三穂の園」とゆ着して事をすすめていました。これは、滋賀県版加計疑惑とも言えるものです。解体工事業者は「こんなに下からコンクリートが出てきた。かなりの追加の工事費がいる」としています。森友疑惑の様相も呈しています。
 地元の社会福祉法人の関係者は、市のやり方にカンカンに怒っています。近江八幡市障害児者地域自立支援協議会は、地域の23の団体の委員で構成する「日中活動と住まいの場整備支援プロジェクトチーム」を3年前に作りました。そこがまとめた提言では「通所作業所2カ所、グループホーム2カ所の整備に向けて早急に取り組む必要がある」としています。そして、プロジェクト参加法人は、法人の将来構想など必要な情報を共有し、さらに、国庫補助申請の優先順位まで法人間で調整までしています。にもかかわらず、近江八幡市はこの人々たちと旧安土健康づくりセンターでの整備事業の情報を共有せず、県外の一法人と秘密の協議を重ねていた…全くひどい話です。
 昨年9月末に「美穂の園」から申請書が出され、県が補助対象として予算に計上するまでの間に、地元の市議会で公募の疑惑が指摘され、日中活動事業所等連絡会議が市長に抗議し、テレビが疑惑の報道をするなどの動きがありました。にもかかわらず、県は「協議書(申請書)が整っているから」と補助対象に選定しました。ちなみに、来年度のこの事業への申請数は30件で、県外法人は1社だけです。
 私は「市の公募に疑惑があり、地域の社会福祉法人を置き去りにしている、でも協議書が立派だから補助金を出す。あまりにも無策というか、判断力がないというか、県政の質が問われている。『ちょっと問題があるから、とりあえず来年度は見送る』というくらいの判断をすべきだ」と知事に迫りました。知事は、「議会で認めていただければ予算を執行する」と答弁しました。この予算を認めたら県議会の見識も疑われます。

2018年03月13日