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滋賀県知事のダム建設推進への変節について

滋賀県知事の大戸川ダム建設推進への変節について
◇大戸川ダム問題の経緯
 大戸川ダムは国が建設を計画し、1968年に予備計画調査に着手。2008年に国土交通省近畿地方整備局の諮問機関「淀川水系流域委員会」が「効果が限定的」として建設見直しを提言。4府県知事が「施策の優先順位が低い」として建設の凍結を求める共同見解を発表し、国は事業凍結を決めていました。2016年2月に国土交通省近畿地方整備局は、大戸川ダムに関して、他の治水対策案と比較して最も有利であるとする検証結果をまとめ、提示しました。これについて、三日月知事は「4府県合意の時と状況は変わっていない。合意を見直す必要はない」「ダムに一定の治水効果はあるが、大戸川についてはダムで全ての浸水を防げるわけではない。水系全体で造るか造らないかを判断する。その中で凍結という状況は変わっていない」と発言していました。
◇自民党の圧力で知事が変節
ところが、2017年12月の県議会で、「県益を最優先する河川政策の推進を求める決議」を自民党等が賛成多数で採択し、「四府県知事合意の撤回に向けた措置を講ずるよう強く求める」と知事に圧力をかけました。ここから三日月知事の変化が始まり、2018年4月の招集会議で、「この決議を重く受けとめ、大戸川ダムの大戸川流域に与える治水効果と瀬田川洗堰操作に与える影響について検証する勉強会を立ち上げる」として、3426万円の補正予算を提案しました。その後、3回の勉強会を経て、三日月知事は本年4月、「ダムに一定の治水効果があることが分かった」と方針転換を表明し、5月には近畿地方整備局長に、「実施時期を早期に検討していただきたい」とダムの早期整備を求めるところまで完全に変節しました。
◇大戸川ダムの治水効果は限定的
近畿地方整備局が2016年に「ダム有利」を提示した時、宮本博司・元国土交通省近畿地方整備局河川部長は、「大戸川ダムができても計画水位のギリギリ下、なければ19cm上。200年に1回の特定の洪水に対して、そんな微小な水位の差のために作るダムなんて、緊急性は低い」「想定外の雨が降ったら、ダムの効果は非常に小さいか、まったくない。鬼怒川でも実証された。それなのに大戸川ダムの効果は、想定洪水でさえも限定的。今さら必要性を検証すること自体、理解に苦しむ」と苦言を呈し、河川工学者の今本博健・京都大学名誉教授は「大戸川ダムに効果があるとする論拠は、『淀川水系流域委員会』と『京都府技術検討会』によって崩された。速やかに中止すべきだ」と述べていました。これらの見解は、今の三日月知事の言動への的確な批判となっています。昨年4月の勉強会のための補正予算に対して、私は反対討論で「勉強会の目的は、『4知事合意の撤回、大戸川ダム建設推進』への方針転換の理由づけにある」と批判しましたが、事実経過はその通りとなりました。
◇知事変節とダム推進の諸問題
三日月知事のダム建設推進への転換は、県民本位からはずれた様々な問題を持っていますが、私は4点指摘したいと思います。
第一に、大戸川ダム建設推進への転換によって、2018年7月の知事選挙とその後の県政運営において自民党の支援を得ること可能になったことです。ダムが「政争の具」とされていることは許されないことです。
第二に、これだけ重大な方針転換について、県議会にまったく説明をおこなっていないことです。新たに就任した自民党の議長でさえ、この問題での県議会軽視を批判するほどです。
第三に、勉強会設置の理由に、全国で想定外の豪雨が相次いでいることがあげられていますが、勉強会では近年のいくつかの全国の豪雨モデルを想定して検証を行うという矛盾したことをしています。私たち県会議員に説明はありませんが、私の理解では、勉強会の結論は「大戸川ダムをつくっても想定外の豪雨に対しては、洪水は防げない」と受け取るべきだと思います。
第四に、ダムが環境に及ぼす影響は全く検討されていないことです。ダムに貯水した水の腐敗、堆砂、河床の低下、魚への悪影響、海岸の浸食…ダムは治水だけでなく環境への影響などを総合的に判断するべきです。世界を見れば、脱ダムからダム撤去の流れになっています。アメリカでは、2017年に86ダムが撤去されたとされています。熊本県南部を流れる球磨川の荒瀬ダムの撤去工事が昨年3月に完了。ダムの完全撤去は全国で初めてです。堆積した土砂のヘドロ化で悪臭を放ったダム湖は6年をかけた工事でなくなり、地元の住民が「川がよみがえった」と喜び、瀬や淵、砂州といった変化に富む川本来の流れが復活したとされています。限定的な治水効果だけでダム建設推進を表明する視野の狭さはきびしく批判されるべきです。
◇堤防強化など流域全体での治水対策を
日本の地形は急峻なので、ダムを造っても貯水量は少なく、想定を超えればすぐ満杯となり、洪水を調節することはできません。このため、ダムがあっても水害が防げず、逆にダムが水害を大きくした事例もしばしば起こっています。ダムに貯水して洪水調整するダム頼みの治水政策のあり方を根本的に見直し、堤防強化など流域全体での治水対策に改める時代になっているのではないでしょうか。

2019年05月21日

県行政チェックの役割放棄の監査委員

 2024年滋賀国体の主会場整備の用地拡張で、県費でおこなわれた土地改良農地を県が買収していることについて、税金の二重支出であるとして住民監査請求を本年9月5日に行いました。これについて11月2日、監査委員より「住民監査請求に係る監査結果」(以下「監査結果」という)が送付されてきました。

 「監査結果」は17ページに及ぶものですが、大半は私たちの請求内容と県当局の言い分をそのまま記載しており、監査の「判断」はわずかに2ページ余にすぎません。しかも、その中身は、用地買収について「買収は合理性を欠いていない」、「取得価格は妥当」、「会計上の手続きは適正」としています。彦根北部土地改良区への支出は行為の日から1年が経過し、同改良区の土地改良事業は監査請求の対象とならないなどとし、「用地買収費の返還請求は理由がないから棄却する」と結論づけています。

 「監査結果」は、私たちが監査請求で求めた、同一農地への土地改良費と買収費の税金の二重支出という問題の核心を正面から監査していない全く不誠実なものです。県庁内の部局間の連携を全く欠いていることの指摘についても沈黙し、「土地改良を行ったことによる取得価格への影響が認められる」としながら、「妥当性を欠くとする理由はない」と矛盾した記述をするなど、論理性を欠くあまりにもお粗末な内容です。

 監査委員は本来、県行政の公正と能率を確保するため、県の財務に関する事務の執行について、支出は適切になされているか等について、県の行政を監査する独立の機関のはずです。今回の「監査結果」は、「県の行政を監査する独立の機関」という職務を放棄し、県行政に従属している監査委員の実態を示しています。強く抗議するとともに、今後も、道理がどこにあるのかを明らかにするために努力していくものです。

2018年11月02日

国の圧力で職住分離の原則を投げ捨てたか!

これまでの滋賀の障害者福祉に逆行

▼近江八幡市において、約2億円の国・県の補助金を受けて、岡山県の社会福祉法人「三穂の園」がグループホームと通所施設を同時に整備する問題について9月議会でとりあげました。これは、障害者の施設における働く場と住まいの場を分ける職住分離の原則を滋賀県が自らぶち壊すものです。当該案件については、公募の前から同法人に決まっていた不公正を2月議会で取り上げました。
▼滋賀県はこれまで職住分離の原則を重視し、一度も同じ敷地内での通所施設とグループホームの整備を認めてきませんでした。それを今回なぜ方針転換して認めたのか…そこには近江八幡市の要請による国の圧力が介在していたと思われます。2016年7月に当時の近江八幡市長が加藤厚生労働大臣面会し、「県との交渉が難航している」「同一敷地内の既存の建物で居住と就労を一緒にできるようにお願いしたい」と滋賀県の姿勢を変えることを要望。大臣はそれに前向きの発言をしました。「三穂の園」は加藤大臣の地元の社会福祉法人です。こんなやり方で糸賀一雄氏以来の「障害者福祉の先進」とされてきた滋賀県の福祉行政が歪められていいのでしょうか。
▼知事は「住まいの場であるグループホームと通所事業所を同一敷地内に整備することは、施設の指定基準においては禁じられておらず、基準を満たしていれば、県として認めることが求められる」と答弁しました。これは障害者権利条約に照らして、明らかにに誤りです。「障害者は、人間としての尊厳が尊重される権利を有している」「障害者は、その家族または里親とともに生活し、すべての社会的・創造的活動に参加する権利を有する。もし、障害者が施設に入所する場合でも、そこでの環境や生活状態は、同年齢の人の普通の生活にできるだけ似通ったものであるべきである」…これが障害者権利条約の精神であり、障害の程度や種別にかかわりなく、「他の市民と同じ生活条件」を保障する…ここに職住分離の根拠があります。
▼この案件は、①国の圧力で、これまでの県が守ってきた原則を変えてしまうこと②障害者権利条約に反すること③滋賀の障害者福祉に取り組んでいる人々の努力に水を差す時代逆行であるという重大問題です。おそらく県議会の日本共産党以外の会派は、当初予算と同様に補正予算にも賛成するでしょう。しかし、こんな県政の歪み、それを正せない県議会でいいのでしょうか。県民の厳しい監視と批判が必要です。

2018年10月05日

台風大被害なのに知事渡米

 9月4日に暴風の猛威ふるった台風21号により、滋賀県内で甚大な被害が出ています。家屋の全壊を含む広範囲の損壊、農業用倉庫やビニールハウスの倒壊、漁業施設の損壊や漁船の沈没、神社仏閣の大被害、無数の屋根の損壊…日がたつにごとに、被害のひどさが明らかになってきています。いまだに、電気や電話、ネットの回線が修復されないところもあり、県民生活に大きな支障をきたしています。大きな被害を受けた農家や漁家では、「廃業も考えざるをえない」という声まで出されています。
 ところが、三日月知事は台風の翌9 月5 日、アメリカ合衆国ミシガン州デトロイトで交流50 周年を祝う記念式典に出席するため、渡米しました。帰国は13日の予定とされています。
災害に対して陣頭指揮をとらなければならない知事が、台風の襲撃直後に出国したことは問題でしょう。少なくとも、9月7日に交流50 周年記念式典は開催されたのだから、急きょ帰国すべきではないでしょうか。台風の大被害が県内を覆っているときに、知事が1週間以上も外国に滞在していることは、県民の理解が得られないでしょう。(写真は大波の直撃で道路が損壊した西浅井町菅浦地先)

2018年09月08日

度重なる台風被害~びわ湖漁業存亡の危機

 2018年9月4日の台風21号は観測史上最強の猛威を振るい、県内の農林水産業に大きな被害をもたらしました。水産業被害では、南寄りの風が強かったため、びわ湖の西岸の各地で漁船の沈没、小型定置網の損壊が出ています。最近のアユの不漁と台風の度に深刻な被害を受け、「廃業もかんがえざるを得ない」と漁師は言っています。高齢化が進行し、いま、びわ湖漁業は存亡の危機にあります。行政による被災した漁師への手厚い支援が切に求められています。(写真は、9隻の船が沈没した海津漁港=高島市マキノ町)

2018年09月07日

市長の女性問題~長浜市の民主主義が問われる

5月27日に開かれた「信頼できる市政を考える市民集会」でパネルディスカッションのコーディネーターを務めました。私は冒頭、「今日は県議としてではなく一市民として参加した。長浜市長の不倫・セクハラ・交際女性への利益供与の週刊誌報道にたいし、12万市民のトップである市長は、名誉毀損の裁判を起こし、潔白を証明する義務がある。しかし、週刊誌報道から87日が経過しても、全く説明責任を果たしていないことは、報道が事実であることを認めていることになる。これについて市民が、現状を容認するのか、ケジメをつけることを求めるのか、いま長浜市の民主主義が問われている」と発言しました。集会は、参加者の総意で、市長の辞職を求める決議を採択しました。また、市民の名誉が傷つけられているとして、市長に損害賠償を求める集団訴訟を起こすことを決めました。

2018年05月28日

全国に例なし!一作もしない土地改良農地

 滋賀県で2024年開催予定の国体の主会場となる彦根総合運動場は14haしかないため、隣接の用地買収が必要。しかし、南側は道路と彦根城、西側と東側は住宅地、北側は学校。拡張できるのは北東側と北西側の民有地と市有地。問題なのは、北東側の買収予定地の大半が土地改良工事をしたばかり農地であること。国体主会場用地として買収予定となっていることが解っていながら土地改良を進めました。現在、一作もしないで草むらとなっています(写真の道路の左側)。道路の右側の土地改良農地はきれいに作付けがされており、あざやかな対照となっています。何のために土地改良をしたのか?こんな例は全国にもないでしょう。しかも、県は農地の買収にあたって、土地改良に要した費用も考慮。さらに問題なのは、その土地改良費用は、滋賀県の東北部浄化センター造成工事から出た残土処分という名目の県費が充てられていること。あまりにも道理の通らない歪んだことが行われているのではないでしょうか。(写真は4月12日撮影)

2018年04月17日

全国知事会決議に反する既存施設解体

 全国知事会は、2002年12月、国民体育大会に関する緊急決議を上げ、過剰な準備や運営を厳に慎むとし、国および日体協が応分の負担を行うこと、広域単位の開催を含めた改革などを求めました。これ以降、開催県では簡素で効率的な国体の努力が続けられてきました。そして、今後開催予定県でも、2020年の鹿児島県や2021年の三重県では、簡素な国体、既存施設の活用で改修、新規建設はしないなどとしています。こうした流れの中で、滋賀県だけが20世紀に逆戻りしたかのように、身の丈を超えた国体を目指し、財政危機を招こうとしていることは異常です。
 昨年6月議会で私の質問に三日月大造知事は「御指摘の全国知事会決議を受け、日本体育協会において、夏季・秋季大会の一本化ですとか参加人数総数の15%削減、施設基準の弾力的運用、近接県の競技施設の活用など、大会運営の簡素化、効率化等を目指す改革が行われ、この決議は意義があったものと認識しています。滋賀県におきましても、こうした国体改革の趣旨を踏まえ、国体・全国障害者スポーツ大会開催基本方針の実施目標の一つに滋賀の未来に負担を残さない大会を掲げ、既存施設の有効活用や大会運営の簡素化、効率化の徹底を図っているところですし、さらに図ってまいりたいと考えております」と答えました。
 しかし、4月12日に彦根総合運動場を視察し、プールやテニス場などことごとく彦根総合運動場の既存施設を廃止解体しているのを見ると、知事の答弁の偽りを実感します。まだ解体されていない陸上競技場だけでも活用すべきだと思います。

2018年04月16日

やっぱり余呉山中の巨額道路整備は疑問

 雪解けを待って、濁りをたどり高時川沿いを姉川河口から余呉町菅並を超え小原まで行きました。丹生ダム中止に伴う地域整備事業として、7年間通行止めとなっている県道整備に34憶円を注ぎ込むことを批判してきましたが、やっぱり疑問の事業です。写真のとおり、山側は垂直に崖が迫り何カ所も崩落しており、川側も絶壁。34憶円のうち10憶円が斜面対策と言われていますが、整備後も大雨がくれば、斜面崩落や路肩欠損は必至です。
 小原地区で、移住をされた元住民の方が夫婦で山菜を獲りに来られていて遭遇しました。「ムダな道路整備より、診療所整備の方がありがたい」とおっしゃっていました。

2018年04月12日

雪解け水が濁水に~高時川

 ♪雪どけみずのせせらぐ音に 失くしたものを想い出します♪(小柳ルミ子の桜前線)…「雪解け水」は、冷たくてきれいな清流を連想するのではないでしょうか。

 ところが滋賀県の最大の豪雪地帯から流れ出る高時川の雪解け水は今、写真のようにすごく濁っています。下流で姉川に合流してびわ湖に流れ込み、長浜市から彦根市沖合一帯を濁しています。おそらく冷たい水のため、湖底近くでは深いところまで濁りが広がっていると思われ、びわ湖の環境に大きな影響を与えています。漁業にも大きな被害をもたらしています。

 昨年来、県議会でこの問題を取り上げ、県当局は継続して調査をしているといいますが、原因の確定には至っていません。一日も早い解決が必要です。

 

2018年03月30日

疑惑の政治は許せない

◆国から市まで疑惑の政治が横行◆
 森友疑惑では首相夫人らの関与を隠すために公文書改ざんの犯罪を犯していました。甲賀市では昨年10月の衆院選滋賀4区の開票で約400票の白票を水増し。国から市に至るまで民主主義の根底を破壊する前代未聞の異常事件が続発しています。
 彦根市では市役所の耐震補強・増築工事の契約で、市と業者の間で一部工事(約10憶円)を行わない「裏契約」。工事契約に関して「予定価格その他の条件変更はできない」と定める地方自治法違反です。副市長が辞任し、議会が百条調査委員会を立ち上げ。市長が「知らなかった」というのはありえないことで、その責任は重大です。
 長浜市では、週刊誌が市長の「公的愛人支援」を報道。市民からは「こんな記事がでるのは恥ずかしい。長浜市から引っ越したい」。全国からは「なぜ選んだ」と長浜市民を批判する声が出されています。報道が事実なら市長失格です。「事実無根」なら、名誉毀損や損害賠償等の徹底した法的措置を直ちにとることが、市民への責任です。

2018年03月19日

疑惑の公募を追認!地域の声無視の県政を批判する

 2018年度滋賀県予算で、心身障害児者施設整備費補助を3カ所で行うとされ、その一つに、近江八幡市での県外の社会福祉法人が選ばれています。
近江八幡市は、廃止された安土健康づくりセンターがある市有地を30年間無償貸与(延長あり)、施設も無償で譲渡、老朽している部分は市費で解体、国・県の補助金だけでなく市もかなりの補助を出すという破格の優遇で心身障害者施設整備事業の公募を昨年7月におこないました。公募の1年前から岡山県倉敷市の社会福祉法人「三穂の園」と協議を重ねながら、地元の社会福祉法人等へは公募まで情報を知らせない。20日間の公募期間と「2億円の整備事業を1社で」という条件は、地元の事業者の応募を不可能とするものでした。結果、倉敷市の「美穂の園」しか応募がなく、ここに決定。明らかに、地元の事業者を排除し、「三穂の園」とゆ着して事をすすめていました。これは、滋賀県版加計疑惑とも言えるものです。解体工事業者は「こんなに下からコンクリートが出てきた。かなりの追加の工事費がいる」としています。森友疑惑の様相も呈しています。
 地元の社会福祉法人の関係者は、市のやり方にカンカンに怒っています。近江八幡市障害児者地域自立支援協議会は、地域の23の団体の委員で構成する「日中活動と住まいの場整備支援プロジェクトチーム」を3年前に作りました。そこがまとめた提言では「通所作業所2カ所、グループホーム2カ所の整備に向けて早急に取り組む必要がある」としています。そして、プロジェクト参加法人は、法人の将来構想など必要な情報を共有し、さらに、国庫補助申請の優先順位まで法人間で調整までしています。にもかかわらず、近江八幡市はこの人々たちと旧安土健康づくりセンターでの整備事業の情報を共有せず、県外の一法人と秘密の協議を重ねていた…全くひどい話です。
 昨年9月末に「美穂の園」から申請書が出され、県が補助対象として予算に計上するまでの間に、地元の市議会で公募の疑惑が指摘され、日中活動事業所等連絡会議が市長に抗議し、テレビが疑惑の報道をするなどの動きがありました。にもかかわらず、県は「協議書(申請書)が整っているから」と補助対象に選定しました。ちなみに、来年度のこの事業への申請数は30件で、県外法人は1社だけです。
 私は「市の公募に疑惑があり、地域の社会福祉法人を置き去りにしている、でも協議書が立派だから補助金を出す。あまりにも無策というか、判断力がないというか、県政の質が問われている。『ちょっと問題があるから、とりあえず来年度は見送る』というくらいの判断をすべきだ」と知事に迫りました。知事は、「議会で認めていただければ予算を執行する」と答弁しました。この予算を認めたら県議会の見識も疑われます。

2018年03月13日

三日月知事と自民党の原発再稼働の矛盾

 三日月知事は2月議会での自民議員の質問への答弁で、「原発再稼働を容認できる環境にない」理由が4つあるとし、その一つ目に「原子力発電の経済性に揺らぎが生じている状況にあること」をあげました。これは新たな発言で、これまでは、多重防護体制が道半ば、使用済核燃料処理の未整備、県民の不安が払しょくされていないことの3つの理由をあげていました。
 この3つを解決することも不可能に近いですが、論理上は「3つの問題が解決すれば、再稼働を容認する」ということが成り立ちました。しかし、「原発の経済性の揺らぎ」は、もう変更しようのない事実であり、今後ますます事故処理費用・廃炉費用がふくらむことは確実です。ゆえに、このことを「再稼働を容認しない理由」にあげることは、「将来に渡って原発再稼働を容認しない」と言っていることと同義になります。つまり、三日月知事の「再稼働を認める環境にない」発言は、原発即時ゼロを求める県民から見れば不十分なものですが、論理的には「原発再稼働を認めない」ものとなります。
 他方で政府・自民党は、2030年の電源構成で原発を20~22%と決定していますが、そのためには原発を30数基動かさなければなりません。知事選挙ではこの自民党が三日月知事を支援し、三日月知事は自民党の支援を喜んで受ける…大きな矛盾ではないでしょうか。

2018年03月12日

誰も否定できなくなった「原発コスト高」

 2月の滋賀県議会一般質問で、原発について「再稼働したから電気料金が下がり、来年度の県水道料金が下がる。原発賛成の人もその恩恵を受けている」という議論がありました。
 この問題について、一般質問の最終日2月28日、関連質問をしました。福島第一原発事故直後は、事故処理費用は6兆円と言われていましたが、2013年には11兆円、最近では21.5兆円となっています。これは、本来、東電とその関係者が支払うべきものですが、安倍政権はすべて国民負担にしようとしています。立命館大学の大島堅一氏によると、1970年から2010年の実績では、1kW当たりの発電単価(発電コスト+政策コスト)は原発10.2円、火力9.9円、水力4.4円となっています。これに福島事故処理費用21.5兆円を加えると、原発は13.5円となり、非常に高コストとなっています。
 そして現時点でも、私たちが支払っている電気料金には、原発の資本費、燃料費、運転保守費などが原価参入されているだけでなく、使用済核燃料再処理費、原子力発電施設解体費、原子力損害賠償機構一般負担金、電源開発促進税などの原発付加金が含まれています。その額は、関電で標準家庭月額236円と試算され、年間に換算すると2800円を超えています。
 私は「『原発再稼働のおかげで電気料金が下がった』というのは、木を見て森を見ない議論だ」と指摘しました。

2018年03月11日

新年おめでとうございます

 昨年は国連で核兵器禁止条約が採択されるという歴史的快挙がありました。北朝鮮の核ミサイル問題、トランプ米政権の横暴、安倍政権の改憲志向など歴史の逆流もありますが、世界史は確実に進歩の方向に進んでいます。
 今年は日本の社会に根付いてきた市民と野党の共闘をさらに前進させる年にしたいものです。知事選挙や長浜市議会議員選挙もあります。県政と市政の民主的発展に結びつく成果を勝ち取りたいと思います。今年もよろしくお願いします。

2018年01月02日

3・11以前に逆戻りの原発再稼働

 福井県知事が11月27日、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に同意を表明しました。おおい町議会と町長、県議会はすでに同意しています。関電は来年1月に3号機、同3月に4号機をそれぞれ再稼働させるとしています。
 一たび大事故が起これば取り返しのつかない事態を招くのが原発です。2011年3月の福島原発事故が原発の安全神話の偽りを明らかにした日本で、次々と原発の再稼働が進められる異常事態に心が痛みます。使用済み核燃料の処理技術もなく、あまりにも愚かなことです。再稼働許さず、原発ゼロの日本への道を求める世論と運動の高揚が必要です。

2017年11月27日

PFI方式の新県立体育館整備は問題

 新県立体育館の整備をPFI方式でおこなうことに係る補正予算と条例改正が9月議会で提案されました。この議案に反対したのは日本共産党県議団だけでした。
PFI事業とは公共施設などの建設、維持管理、運営などを民間の資金や経営能力を活用して推進するものです。その本質は、大企業・金融機関・ゼネコンに新事業をつくり出すために、従来の公共分野の仕事を広く民間に明け渡すところにあります。民間事業者は利益をあげることが最優先であり、他方、公共施設は広い意味での「住民の福祉」のためのものです。ここに、公共施設をPFIで整備することの本質的矛盾があり、ここから以下の諸問題が懸念されます。①事業者破たんのリスク②事故等の損失の負担の問題③経費節減は不確か④長期契約による膨大な利権をめぐる行政と民間事業者との癒着⑤下請けが安さを競わされ、頻繁な交代や担い手の非正規化。
 PFIの失敗事例として福岡市の「タラソ福岡」・北九州市の「ひびきコンテナターミナル」・名古屋市の「名古屋港のイタリア村」などの経営破綻、仙台市の「スポパーク松森」の天井崩落事故、近江八幡医療センター・高知医療センターの契約解除などが有名です。PFI事業が破たんすれば、住民に大きな損害をもたらします。
 新県立体育館整備にPFI方式を採用する理由は、県が直接実施した場合と比較して7.9%、約7億5千万円財政負担が軽減できるというものです。しかし、設計・管理費、工事費、備品費、運営・維持管理費、長期修繕費が10%削減できるとしていますが、その根拠は内閣府のPFI導入可能性調査における平均費用削減率が約10%だからという、非常にいい加減なものです。国の交付金が活用できないことや民間事業者の法人税負担などのデメリットもありますこのような不確かなPFI事業を議会が安易に認めれば、将来その責任が問われます。
 そもそも、新県立体育館整備の経費削減をPFIに求めるとしていますが、経費削減をいうなら、約60億円で整備できるのに95憶円もかけなければならない建設予定地を変更することを考えるべきでしょう。PFIは大手ゼネコン中心で地元業者の参入が困難なため、事業を通じた地域経済振興策としても効果が期待できません。
PFI方式による新県立体育館整備、財政危機を招く数百億円の国体費用、彦根総合運動場のほぼ全ての施設解体など、県の国体施設整備の進め方は問題だらけです。一度立ち止まって、県民本位に見直すべきではないでしょうか。

2017年11月02日

自公政権の延命に一役買った希望の党

明らかになった「市民と野党の共闘」こそ安倍政権打倒の道
 10月22日執行の衆議院選挙で自公が3分の2議席を獲得、滋賀4選挙区でも自民が独占。選挙直前の希望の党立ち上げ~民進解党の茶番劇から、この事態はある程度予測されました。市民と4野党の共闘を分断した希望の党は、自公政権の延命に一役買っただけ。その政策も役割もまさに「自公の補完勢力」以外の何物でもないことは明かです。
 沖縄県や新潟県の選挙結果は、「市民と野党の共闘」こそ、安倍政権を倒し、日本の未来を切り開くものであることをはっきり示しています。滋賀でも民進党の人々が希望の党に走らなかったら、自民の議席独占を許すことはなかったでしょう。
 日本共産党は滋賀1区2区で候補者を降ろし、4選挙区すべてで「市民と野党の共闘」を実現し、その躍進に全力をつくしました。このたたかいは、今後に貴重な財産を残しました。残念ながら比例区で票を伸ばせませんでしたが、野党第3党・12議席を獲得しました。今後、どんな激動の情勢でも前進できる党の力量をつけ、日本の明るい未来をひらくために、さらにがんばります。

2017年10月23日

公正な選挙の土台を壊している違反ポスター

公営ポスター掲示板よりも数十倍もの候補者写真入りの違反ポスターが滋賀2区の選挙区内に張りめぐらされています。県選管に問い合わせると「10月初旬に撤去命令を出したが、取り締まる権限は選管にはない」と無責任な回答。

 期日前投票を済ましたある若者に「誰に投票した?」と聞くと、「自民党の〇〇候補しか頭に思い浮かばなかった」と返答。街中に張りめぐらされている違反ポスターの効果は絶大です。これでは、公正な選挙の土台が崩れています。不合理が極まっています。

2017年10月21日

道理がない自民会派の「討論時間の制限」策動

 滋賀県議会の議会運営委員会で、自民党県議団の委員が「討論時間の制限」を持ち出しています。「議員一人当たりの年間120分の質疑・質問時間に討論時間も含めよ」という暴論まで聞かれます。
 議会は言論の府であり言論の自由を最も尊重すべきです。「討論」は、議案の採決に際し、賛否とその論拠を表明する重要なものであり、これに制限を加えることは、県民不在の議会の自殺行為にもなりかねません。これまで滋賀県議会において、討論時間による支障はなにもありません。今後も、議員が節度ある簡明な討論に心がければいいことで、発言の自由を侵す「討論時間の制限」は不要です。

2017年09月02日

許されぬ北朝鮮のミサイル発射の蛮行

 北朝鮮は8月29日、国際社会が強く自制を求めているもとで、弾道ミサイルの発射を強行しました。これは、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、国連安保理決議に違反する蛮行です。通告なしに日本の上空を飛び越えることは、きわめて危険な行為であり、きびしく糾弾されるべきものです。
 アメリカの国務長官や国防長官は、「米国は交渉する意思がある」と表明しており、北朝鮮の今回の暴挙は、対話による解決を模索する国際社会の努力に逆行するものです。
 世界と地域の平和と安定を破壊し、おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は絶対に回避しなければなりません。経済制裁の厳格な実施・強化と一体に、対話による解決の道を粘り強く追求することが求められています。
 アメリカも韓国も中国もASEAN諸国も「対話による解決」を求めているのに比べ、「対話のための対話では意味がない」とする安倍政権の圧力一辺倒の姿勢は国際的にも異例です。不安をあおるだけのJアラートによる避難指示のあり方も問題です。

2017年09月02日

北朝鮮ミサイル問題について

北朝鮮の核兵器・ミサイル開発をめぐる米国と北朝鮮の間の緊張が、軍事衝突の危険性をはらむ新たな事態へと深刻化しています。日本は、米朝間で何らかの軍事衝突が起こった場合に、最大の被害を受ける国の一つとなります。日本政府は、緊張をさらに高める軍事的対応の強化でなく、米朝の直接対話を実現し、核・ミサイル問題を平和的・外交的に解決するための努力をはかるべきです。

2017年08月15日

琵琶湖近くの干拓地での水草処分は問題

 びわ湖(とくに南湖)で大量発生する水草。県によると、年間約7千トン除去しているとしていますが、その処分の大半が近江八幡市の津田干拓地で行われています。処分と言っても、野積みしているだけであり、廃液は垂れ流しです。びわ湖の近くであり、干拓地から川もびわ湖に流入しています。
 昨年来、異臭が大きな問題となっている近江八幡市にある馬淵浄水場は、近江八幡市南津田町沖合い1,910mの琵琶湖から取水しています。水草処分地のすぐ近くです。
 水道水の異臭の原因は、大量発生した植物プランクトンだと言われています。水草処分が影響している可能性は否定できません。湖岸近くでの水草処分は見直すべきだと思います。

積み上げられた水草
2017年07月31日